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Three chords and a cloud of dust ...

Detroit Rock City

030682065XDetroit Rock City: The Uncensored History of Rock 'n' Roll in America's Loudest City
Steve Miller
Da Capo Press 2013-06-25

by G-Tools

気が向いた時に少しずつ読んでいる。

全編インタビューから成り立っていて、テーマごとに編集されている。「Please Kill Me」と同タイプの本だ。タイトル通りデトロイトのロックシーンについて時代ごとに三章から構成されている。1965-1972年、1973-1981年、1981-2000年である。

イントロダクションは、筆者のSteve Millerが2002年の冬Lansingを訪れた際に「ジャーナリストなら何故デトロイトのロックシーンについて書かないんだ?デトロイトのロックが後のロックに与えた影響を書かないんだ?」とある人物から問いかけられたことから始まっている。
当時はワシントンに暮らし仕事で世界を飛び回っていたSteve Millerだったが、父親の仕事の関係で1968年頃East Lansingに住んでいた。そしてMichigan PalaceやCobo Center、Masonic Auditriumへロックコンサートを見に行き、Creem Magazineを愛読する10代だった。生で時代の空気を感じることができた世代なのである。

その問いかけはSteve Millerにショックを与え、しかしその問いに対してその時点で答えることができなかった。彼は取材を開始する。そして7年かけて確信したという。デトロイトは地球上でもっとも影響力のあるロックシティであると。

英文が口語であるため読み進めることがなかなか難しく意味のわからない個所も多いが、根気よく読めばやはりおもしろい。
1967年の暴動の際どうしていたか、何を感じたか。70年代に入り一つの時代が終焉に向かっていた時の様子。ドラッグでどのバンドも自滅したとか、デトロイトのバンドは西海岸からも東海岸からも無視されていたとかいうのは興味深い。Bill Grahamはデトロイトのバンドを毛嫌いしていたという。もちろん暴動の影響や政治的な運動で目をつけられたMC5への警戒もあったのだろうが、デトロイトならではの荒々しい音楽性とパフォーマンスが好まれなかったということか。あえて‘(学園都市でイメージのいい)Ann Arborのバンドだ’と名乗るくらいデトロイト出身のバンドであることはハンディキャップだったらしい。以前から感じているデトロイトの音楽の暗さや怨念みたいなものは土地柄ばかりでなくこういうところからも生まれているのかもしれない。
Dennis ThompsonのGrand Funkに対する悔しい思いも興味深く読んだ。政治的背景がなければ自分たちはGrand Funkよりビッグになったはずだと言い切っている。後に成功を収めるBob SegerやTed Nugentもシーンの終わり頃には様々な問題を抱えフラストレーションがたまっていたことが書かれている。

最後に、思わず感動してしまったTed Nugentの言葉を。1967年の暴動について。
‘It just broke my heart.But I was there;I watched it burn.That was our Detroit,our city.’

0472031902Grit, Noise, & Revolution: The Birth of Detroit Rock 'n' Roll
David A. Carson
Univ of Michigan Pr 2006-06-19

by G-Tools

こちらも未だ完読ならぬもおもしろい一冊。
デトロイトの音楽シーンを1940年代から順に見ていきMotownを経てHideout、そしてGrande Ballroomのオープンへ。この本は1972年までの出来事が書かれている。Grandeがクローズしたこの年が一つの区切りであり、一つの時代の終わりなのは間違いない。歴史を俯瞰しつつ所々挟み込まれる当事者の証言からリアルなものを感じ取ることができる。
どちらの本もMitch Ryderについてページをかなり割いているところから彼がシーンにおける重要人物なのがよくわかる。私はMitch Ryderはあまり気を入れて聴いていないのでこれから聴きこんでいこうと思う。


  1. 2014/04/14(月) 14:43:50|
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Author:正親町さるる
IGGY POPや1960~70年代のアメリカ・ミシガン州のROCKが大好きです。
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