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Three chords and a cloud of dust ...

Raw Power


Raw Power

イギーと彼の音楽を「ロックそのものの肉体」「原始ロック」「ロックを体現している」といった言葉で表現しているのを見たことがある。

「Raw Power」を初めて聴いたころ、YouTubeでライブ動画を同時進行で見ていたので、これらの言いたいことがよくわかる気がした。
イギーのライブはとにかく物凄いの一言に尽きる。
内から自然と起こる衝動に従って体をくねらせ、腕を捻じ曲げ、転げ回る。動物みたいな雄叫びを上げ、頭を振り、飛び跳ねる。血管が切れてしまうんじゃないかと思うくらい頭の先から爪先まで力がこもっている。時折見せる笑顔には思わずゾクリとする。
ショーアップされたロックコンサートとは一線を隔す生々しいロックがそこにはあった。


このアルバムはイギー本人がプロデュースしミックスし直したリマスター盤で、オリジナルはデヴィッド・ボウイのミックスである。
ボウイ盤は賛否両論あるらしく聴いてみたいのに、なぜか流通していない。
聴いたことがないので比べようもないが、イギーミックスは音量にこだわっただけあって、覚悟をしていたとはいえ初めて聴いたときはその破壊的な音にびくりとして慌てて音量を下げた。
それは今までロックだと思っていた音楽とは全然違うものだった。
当時の技術ではその迫力をレコードに収め切れなかったのだろう。無理やり小さな箱に押し込められた野獣が滅茶苦茶に暴れているみたいな、ヌケ切らないし割れた音だったが、あまり手を加えずに生演奏そのものを取り込んだような臨場感があった。
暴走しているようでいながらも破綻すれすれのところで踏みとどまっている演奏はスリリングで破壊衝動に満ちている一方で、そこには音楽的な美しさが確実に存在していた。
イギーの歌もただワイルドでキャンキャン噛み付いているだけじゃない表現力があった。
初めて経験する音に脳みそはグラグラと揺さぶられ、胸はざわざわと騒ぎ、その感動は今もって続いているのだから本当にすごいと思う。


この後聴いた1st、2ndの方がどちらかというと好きかもしれない。
ただ、一番最初に聴いた「Raw Power」は私にとって特別な意味のあるアルバムである。
このアルバムは私がロックを聴くことができるかどうかのリトマス試験紙のような存在だった。
  1. 2008/08/06(水) 22:56:23|
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Author:正親町さるる
IGGY POPや1960~70年代のアメリカ・ミシガン州のROCKが大好きです。
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