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Three chords and a cloud of dust ...

伝説の男



たぶんロック界には数多くの伝説があり、数多くの伝説の男がいるのだろう。
THE DOORSのジム・モリソンもそういう男の一人である。
イギー・ポップが影響を受けたということでイギーファンとしては必須ともいえるドアーズをようやく聴いてみた。

その前にまた少し学習・・・
ジムが伝説化した一因といえる謎の死。
彼は1971年に27歳という若さでこの世を去っているのだが、死因の正否はともかく、その前年、前々年にブライアン・ジョーンズ、ジャニス・ジョプリン、ジミ・ヘンドリックスと人気のロックミュージシャンが立て続けに亡くなっている。
いずれも27歳という年齢で・・・



それぞれの死因を見る分には、これは偶然の一致としか思えないのだが、当時ロックファンであった若者たちにはおそらく衝撃的な事件だっただろう。
私より上の年代のロックファンが若かった頃には「ロックミュージシャンは長生きしないもの」というイメージがあったらしい。
こんな事件が立て続けに起こり、加えて若い時は自分の敬愛するミュージシャンが老いるなんて欠けらも想像しないものだ。
むしろミュージシャンの死に憧れや美しさを感じていたとしても不思議はない。
ジムがカリスマだろうが、セックス・シンボルだろうが、私にとっては「ふぅん」という程度のものでしかないのだが、ジムの死について今でも取り沙汰されるのには興味をそそられる。


まぁ、ジムが亡くなったころに生まれた私にとって当時の社会情勢や空気は知りようもないわけで、どんな巷の情報よりもこの耳で音楽を聴いて感じ取るのが手っ取り早い。
聴いてみると・・・ドアーズ、ものすごくいい!!
小難しいことはわからないし、英語もわからないが、ジムの詩が意外とオーソドックスな感じだし(もっと過激なのかと思ってた)歌も技巧がないので、ものすごく演奏陣の存在が大きいと感じた。
音楽性は豊かだし、演奏技術もしっかりしてる。
キーホードの渋い演奏はレイ・マンザレク。オルガン音、ジョン・ロードは×だったのに、レイは◎。どこが違うんだろう?
ギターのロビー・クリーガーは作曲能力にも長けているそう。このアルバムでは「THE END」のラテン調のギターフレーズがなんともクセになる。
「ハートに火をつけて」の2人のソロパートは情熱的な詩に対してどこかメランコリックで、とにかく大好きだ。
ドラムのジョン・デンズモアもいい。ロックとはどこか違うリズム感は聴いていると気持ちよくなってくる。
曲は全体的に暗めだけど美しい。楽曲がいいから、ジムの詩が生きてくると思う。


ジムは内向的な面と攻撃的な面を持つ。
彼の詩にドラッグを見たり、破滅衝動や絶望を指摘したり、彼に病名を与えたりする人がいるが、私はジムの詩はもっと純粋なものだと感じる。
想像力豊かで感受性の強い文学少年なら、死やアナザーワールドについて思いをめぐらすようになり現実と乖離していくのは自然な流れだ。
文学少女だった私には共感できる部分もある。
それに彼に衝動的な性質があったとしても、それは彼に限ったことでなく、若者なら誰でも持ちうるものである。
だから彼はカリスマとなり得たのだろう。

過ぎてしまえば、胸のどこかに疼くものやほろ苦いものが残っていたとしても、もうそれが自分を傷つけることはない。
だけど、その真っ只中にいるときは、自分に刃を突きつけ続けているようなものだ。
「ジム・モリソン」という虚像と闘っていた彼はそんな状態だったのかもしれない。
最初こそ野心に燃えてたかもしれないけど、ずーっと彼は孤独だったと思うよ。
あの時に生き残ったとしても、彼は壊れていたかもしれない。
(なんだかシド・バレットを思い出してしまうなぁ・・・成功した途端壊れるミュージシャンや芸術家は多いよね)


ドアーズのライブ動画を見たときジムは期待はずれのように感じたものだが、アルバムを聴くと彼の声はとてもセクシーで魅力的だ。
巧いわけでも表現力があるわけでもないけど声がいいのだ。
特に高音部の響きは鼻にかかる感じで、その甘さに思わずムラムラっと(笑)
どうも私的には声と顔にギャップがあるが。
詩は好みではないが悪くない。
対訳は芸術性に欠けていていただけないが、ネットで探してみるとステキな日本語訳をしている人もいるので、アルバムのブックレットを見て「ジム・モリソンの詩なんてこんなものか」と思った人はぜひ探してみてほしい。

  1. 2008/10/26(日) 21:12:06|
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  3. | コメント:0
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Author:正親町さるる
IGGY POPや1960~70年代のアメリカ・ミシガン州のROCKが大好きです。
USガレージ・パンク、ガレージ・サイケにもハマってます。
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